作業療法学専攻

教育内容
基礎作業学技法(織物)
作業療法学専攻の教育は単に大学の中だけでは終わりません。作業療法の理論と実践の統合を図るために、臨床実習の場で学習を深めることになります。臨床実習は多様な経験ができるように、おおむね長崎県下及び九州内の病院や施設の協力を得て、大学教員と臨床実習指導者によって、対象者を全人間的に把握できる能力が養えるよう実践的に教育されています。本専攻の臨床学習は、各種専門学会での発表や地域医療・福祉に貢献し、教育と研究の発展に寄与している作業療法士が指導にあたります。本専攻では、作業療法に関する理解を深めるための豊富な学外の指導体制を充分に活用していく上で、次のように学内の教育内容も充実させています。
基礎作業療法学
「機能解剖学」、「生理機能学」等の基礎医学や神経系障害、精神系障害のリハビリテーション等の臨床医学を教育・研究します。また、作業療法の基礎として、「基礎作業学概論」、「基礎作業学技法」等を教育・研究します。
臨床作業療法学
【身体障害分野】
脳血管障害、脊髄損傷、リウマチ、パーキンソン病などの病気によっておこる運動麻痺、高次脳機能障害、協調性障害などの各種障害や、その障害によって生じる食事やトイレ等の日常生活活動障害の特性を学び、評価の方法を教育・研究します。それらの評価を基に手工芸や仕事、レクリエーションなど様々な活動の中からその障害に応じた作業を選定・分析し、治療的に応用する技術や理論を教育・研究します。

【精神障害分野】
統合失調症やうつ病、躁うつ病、その他の精神障害の特性及びそれらによる生活障害・社会的障害を構造的に評価し、理解を深めます。また、疾患のそれぞれの回復過程に応じた必要な治療・支援方法を各種の作業活動を用いて系統的に教育・研究します。

【発達障害分野】
発達障害の作業療法を全般的に学習します。特に注意欠陥多動性障害や学習障害、自閉症、アスペルガー症候群などの発達障害児・者の評価や日常生活、集団活動の支援について教育・研究します。また、感覚統合理論などを用いて発達障害児・者の障害を神経生理学的に分析・治療する方法についても教育・研究します。

【生活障害分野】
それぞれの障害者が住み慣れた町や自宅で継続的に生活ができるよう、生活者の視点から支援方法を考えます。心身の機能障害、住環境や介護環境等を評価・分析し、必要な在宅改修や福祉用具の選定、家事や買い物などの自立支援、日常生活の介護方法などを教育・研究します。